2011年4月30日

小出裕章という人+テレビなう(お薦めソフト)

前回書いたブログの反響がいろいろ来ています。
幾つかピックアップしてみます・・・

「一連の流れで仮説実験授業をしてもらっているようだ」

「小出裕章(こいでひろあき)」という人を今まで知らなかった・・・驚いた」

「それにしても超エリートの語り口は、みごとだ」

「あの大橋という人物は、あんな事言ってしまって、この後どうなるのだろうか?」

「もっと紹介してほしい」 etc

小出裕章は、もともと原子力発電に夢と希望を抱いて研究を始めた人です。
研究を初めて初期段階で、その恐ろしさと欺瞞性に気づいて反対の立場に立ちました。
もう40年もその立場で発言をしているというのですけど、私自身が今回の福島原発の事故で初めて知ったくらいです。

反原発という事でいえば二十年ほど前、「広瀬隆」の「東京に原発を!」という本に驚いた事があります。
広瀬隆はおそらく、この小出さんのアイディアに触発されてあの本を書いたのだと思います。

さて、小出さんに興味を持ってくれた方達がわたしの周りで増えて来たので、今私が情報入手に利用しているソフトを紹介します。

「テレビなう」です。
http://tv-now.jp/desktop/

シンプルなソフトです。
パソコンで作業しながら、この「テレビなう」に「小出裕章」と打ち込めば、web上から小出さんに関する動画を探して来て連続で再生してくれます。
※「設定」の項目の一番下に「動画検索」とあります。そこに打ち込んでください

以前、「君のラジオ」を紹介していろいろな人に喜んでもらったのですけど、その動画版だと思ってください。小出さんの話はグラフなどがよく出てくるので、動画がよいですね。
小出さんだけでなく、このソフトでいろいろな情報の入手が楽になると思います・・・活用してみてくださいね。

以上

2011年4月29日

エリートの議論の進め方と冷静なる反駁<原発推進派と反対派の議論>から

昨日、科学哲学研究会がありました・・・私がとても大切にしている集まりの一つです。


自分の頭の中に横たわる大きな問題を、結論に至らないまま投げ出していくので、どんどん頭が整理させていくカンジがいいのです。


その中で、超エリートと呼ばれる人たちの議論の進め方、相手をやり込めるテクニックを紹介しました。

東大の大学院の教授で大橋弘忠(おおはしひろただ)という研究者がいます…見るからに超エリートです。写真の左側で笑っている人物です。


もう一人、最近私がとても注目している「小出裕章/こいでひろあき」という原子力の研究者がいます。写真右側でマイクを握っている人物です。


 この二人の議論の進め方はとても勉強になります。
 web上で観る事ができます・・・この動画は、H17年に原発推進派と反対派とが公開討論会のようなものを開いた時のものです。つまり今年3.11の福島原発の事故の5年も前の議論になります。


 論理的に考える、科学的に反駁する事に興味のある方にはおすすめですし、私個人としては「原子力は安全です」ときっぱり言い切ってきた推進派の研究者の欺瞞や悲しさ、そして、とても分かりやすく鮮やかな反論をしている小出さんのような研究者がいた事を知らずにいた驚きなど、いろいろ感じさせられた動画です。


 科学哲学研究会は喫茶店でやっているので、実際の動画を見せて説明する事ができない状況でした。
ここでは、実際の動画を掲載しながら少し説明してみます。


大橋氏は
「みなさん心配しているかもしれないけれど、なにしろプルトニウムというのは飲みこんだって安全なんです。テロリストが盗みだしてダムに投げ込んだって心配ないんです」
「みなさんは、原子炉が壊れたら大変だというけれど、専門家になればなるほど、格納機が壊れるなんて思えないのです」
「水素爆発は起きるわけはない・・・専門家はみんなそう言っているんです」
「そういう事がが起こると主張する人たちは大隕石が落ちてきたらどうするんだという、起きもしない事を想定して言っているのです」


それに対して、小出さんは、淡々と反論していきます。
大橋氏はその反論に質問したり、その答えに笑いで返します


次の動画の五分あたりからそのシーンが出てきます。
御覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=M16zKFOEigw


また、大橋氏が「水蒸気爆発が起きるかもしれない」という発表者に質問し、その答えに窮した当事者に代わって小出さんがしっかりバックアップしてくれています。
この部分もとても重要です。
次の動画の前半部分です。
後半の解説もしたいので、4分程度で止めてみださいね。
http://www.youtube.com/watch?v=VcqfkVa2Iq8&feature=related


さて、後半に大橋氏は
「アメリカのラスムッセン報告書があって、ここに安全だと書いてあるのだ」と主張します。
「原子力発電所で事故が起こる確立は隕石が落ちる確立と同じだから心配ないのだ」といういう、推進派としては決定打ともいえる主張です。
みごとです。


この話を聞くと
「へー、そうなんだ」
とついつい思っちゃう。
それに対しての後半の小出さんの反論がまた見事です。


○さっきの動画の続きを御覧ください。


超エリート集団というのは、一般の人達が知らないであろう事を持ち出して、しかもその「一側面」のみを大きく誇張して議論に載せます。
それをよく知らない人たちは、納得させられてしまう可能性があるのですね。


「ラスムッセン報告書」なんて普通知らないですし、私も初めて耳にしました。
大橋氏は、実は後に撤回されている、つまりあれは間違いだったと言われたものを持ち出して大衆を騙している・・・これは怖い。


小出さんが、「数年後にその団体自体が、それを訂正しているではないか」と主張して、その幼稚な技を出した大橋氏のインチキ性に、私たちは気づくわけです。


実際、大橋氏のインチキ性は、今回の福島原発の水素爆発や格納容器の破損で、あってはならない形で証明されてしまいました。


我々は、専門家と称する人たちの議論を簡単に信じてはいけないという事に気づくわけです。

ところで、気づいている方も多いとおもいますけど、この大橋氏は異様なほどいろいろな場面で薄笑いを浮かべます。


この笑いはある種のエリート集団が「自分の優位性と自信」とをアピールする盾なのです。
<上から目線>というより、大衆に対してアピールするためのテクニックなのです。
「笑い」というものを利用して自分の正当性を主張していくわけです。
最初の動画の10:20あたりなど顕著なシーンが幾つも出てきます。

我々が専門家と称する人たちと議論をする時に、相手が笑ってもひるんではいけません(^^
こちらは冷静に話しましょう。
きっと相手は、議論でうまく勝てないという思いもあって、その手を出してきていると考える事もできるからです。


ところで、今回の福島原発の悲しい実験結果を待つ事無く、私たちが「原発については、こう考える方が正しいのではないか」という立場に立てる方法はないのでしょうか?
そういう方法が確立されていれば、人類はもっと幸福に近いのでしょう。
そういうものが見つからないから、いろいろな人達がだまされていくのです。

だまされない人になる為に・・・それは私の人生の大きなテーマです。
また「教育」の持つ大いなるテーマだと思います。

 だまされない人になる為の道はかなり遠いのです。
 しかし、地道にこうやって、騙していく人たちの方法を見ていくことは、重要なものの一つだと私は思います。
 小出さんが「原子力発電」に対して五年も前に、根本的な疑問を呈してくれています。
最後にその動画を御覧ください。

今回の動画は一連のものを順序をかえて並べてみました。

興味のある方は、YouTubeを開いて
【原発問題】推進派vs反対派 小出裕章
をコピー&ペーストしてみてください。


2011年4月9日

勝手に「被災地復興税」5%採用

 東北の被災地でのボランティア体験は、自分の中にいろいろな覚悟をもたらしてくれたようです。

 知人からのメールで、私が行って10日後にやっと沖縄の新聞記者が被災地に入った、と知りました。
 各地の新聞記者はすでに現地入りしているのだろうと思っていたので、正直おどろきました。
 今までにない状況になった時には、各地の新聞社が素早く独自の報道をして欲しいものです。
 そうでないと、東京電力の報告を鵜呑みにした政府の報道と同じように、偏った報道になってしまいます。逆に、幾つかのな視点による報道があれば、その中からいろいろな事を読み取る事ができるのです。

 私がボランティアに出かける時には周りからいろいろな反対がありました。
「現地に行ったって何にもできないのだからやめておいた方がよい」
「プロにまかせよう」
「そんなお金があるのなら被災地に送った方が良い」
「福島原発がメルトダウンする・・・キケンだ」
「放射能は周りの県まで確実に飛んでいる」
 そんな中で、自力で現地入りできたのは、仮説実験授業で「少数派でいる強さとたのしさ」を学んできたからです。

 現地の方達に提供出来たのは、労力と語らいと、車に積めただけの食料、水、生活雑貨品くらいですけど、おそらく義援金を出した以上に喜んでもらえたと思っています。
 私自身もお金を送った場合と比較できないくらいの体験と、意識の変革を得る事ができたと思います。

 行ってみて感じた事をいろいろな人たちに伝えました。
 そして、わたしの周りの人たちも独自にいろいろな動きを始めてくれています。
 昨日、関西の大学に通う息子から電話がありました。
「被災地のボランティアに行ってくる」という話でした。
 宮城で二回目の大きな地震が起こった直後に決心したのでしょう・・・なかなかいい男です。 
 私が行った頃よりずっと交通網も整備され、ガソリン事情も相対的に良くなってきているわけですから、彼は福島県まで入る可能性もあります。東京・大阪などの首都圏では、放射線の危険度についてかなり神経質になっていて、息子には偏った情報が入っている可能性がありますから、放射線について時間をとって科学的に伝えておきました。

 さて日本最強化プロジェクト第二弾、第三弾をどうしようかと考えているうちに
「勝手に被災地復興税5%」
というアイディアが浮かび、さっそく始めています。
 消費した分の5%を被災地の寄付にあてる事にしました。
 一万円の買い物をしたら500円を寄付するわけです。

 日本全体でやればおそらく1~2%で賄えるようになるでしょう。
 私は、一年限定という時限立法として、そういう復興税法案が成立する可能性があるといくらか思っているのですけど、今の民主党にそういう事ができるのかできないのか分かりません。なので、それを待たずして、勝手に消費税を5%値上げしたわけです。
 もしも皆さんの中で、何かやりたいのだけど、やる事が見つからないという方は、私のアイディアをとって「わたしは勝手に復興税2%」とかいうように始めてみるとどうでしょうか。寄付する先はどんどん増えています。

 とにかく、落ち込んだりしている場合ではありません。
 日本の元気度を世界中に見てもらいましょう。
 自粛をしている場合ではありません。経済が冷え込んだら、東北を支援する力が日本全体から失われていくのです。

 いろいろな方達と被災地に関するやりとりをしてきましたが、これをもって、一端被災地に関する事を書くのはお休みにしておきます。
 日本最強化プロジェクトの熱意を沸々と湧きあがらせたまま、また映画の話や本の話、科学的ななどいろいろ書いていくことにします。

 お互い元気にいきましょう(^^