2012年5月21日

書評 森博嗣 自分探しと楽しさについて 集英社新書


 研究所を立ち上げる準備の頃から、趣味の読書を規制していたのですけど、ついつい、森博嗣の本を手にしてしまいました。

 集英社新書 735円です。
 ちなみに、森博嗣と書いて「もり ひろし」と読みます。
 1957年生まれですから55歳になるのかな?

 わたしは森さんの本は殆ど読んでいて、しかも自分と考え方がとても似ているので、内容に新鮮味はあまり感じることは無かったのですけど、秀作だと思います。
 彼は大学の工学部の准教授だったかな、それを最近辞めて自由の身になりました。
 私みたい(^^

 笑ってしまう部分が幾つかありました。
 記憶を辿って書くと…

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 時々「自分はこれまでたのしかったという思い出なんか全然ない」という人がいるのですけど、それはそれですごい事だと思います。完全無欠の生命体です。なんの楽しみもなく、これまで生きてこれたわけですから、今後もどんな事があっても生きていけます。
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 私の知人にまるで異性のことだけを考えて生きている人がいます。自分の生きるほとんどのエネルギーを異性にかけているのです。若者は往々にしてそうだという人もいるかもしれません。でもその人は私より先輩です。時々、そういう人を「まるで動物のようだ」と言う人がいます。しかし、それは動物に失礼です。普通、動物はそんなにまでしない。
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          以上

 わたしは自分探しなんて考えた事はありません。
 けれど「たのしさ」については深く考えています。

 わたしの言うたのしさと森さんのいうたのしさが、ずれている気もしないでもありませんけど、たのしい人生を生きたい、と考えている人なら手にして損はない本だと思います。