2011年1月5日

富士山 その2

前に「この間、富士山に行ってきました」という話を書きました。 
http://kirakuann.blogspot.com/2010/09/blog-post_09.html

それを読んだ方達から数件、問い合わせが来ました。普通の体力で登山は大丈夫でしょうか?
という質問と、
頂上の空気の薄さが心配!
ということでした。

ところで今日、久しぶりに会った職場の友人と、富士山の話になったので、初春イメージでちょうどよいかなと思い、富士山の話を書きますね。

富士山の由来はいろいろあるのですけど、私は、竹取物語(かぐや姫の話)のラストのエピソードが大好きです。

 かぐや姫が月に去る時、かぐや姫に求婚していた侍の大将に不老不死のくすりを渡すのです。大将は、かぐや姫のいないこの場所で不老不死など願わないといい、そのくすりをある山に捨てるのです。それが不死の山と呼ばれ、不死山となり、時代を経て「富士山」となった。

という話です。
つまり富士山は「不死の山」なのです。
自分を主体に考えるのが得意なわれわれ人間は、「その山に登れば不老不死が叶う」と思ってしまうかもしれませんが、言葉そのものからいけば「山が死なない」のです…不老不死の薬を飲んじゃった山なのですね(^^ 
いつまでもその姿を永遠に留める山、不死山です。
ま、山はたいていそうなのです…何百万年スケールでいくと、隆起したり埋没したり、時には大きな爆発で形を変えたりはするのですけど、人間のスケールで見れば全然変わらない姿だと言ってよい。

さて、普通の体力の人で登れるのか?
という質問についてです。
わたしはいろんな山を歩いているのですけど、富士山は、単調で退屈です(^^ゞ
普通の体力で、十分いけるのですけど、それは「時間の関数」を計算に入れれば、という限定つきです。一日で一気に登っちゃおうというのはやめてくださいね。できれば、疲れをみながらペース配分してくれる人が一緒にいるといい。
そこで一つ、かなり有効な裏技があります。

富士山は日本一有名な山なので、たいてい「富士登山ツアー」のグループがいくつもあります。あなたが、一人で登ろうとしているとか、みんな初心者ばかりのグループだという時には、そのグループを見つけて、そのグループの後ろからテクテクついていくといいのです。
五合目で、集団でストレッチしていたり、リーダーの説明をみんなで頷きながら聞いていたり、みんなで気合かけてたりしているいるグループがあったら、それです(右写真)。

 そのグループについて、休憩も同じ様にとってください。給水の時にもちゃんと同じように飲んでください。
たいていはそれでうまくいくと思います。
ただし、偶然宿泊場所が同じだったという事はないので、宿泊する山小屋までは、まずそれでいけます。二日目はどうするか? 事前にいろんなツアーの行程表をwebで入手していてください。二日目の出発は何号目を何時にというように、時には山小屋の名前まで入っているツアーもありますから、それに合わせていくと、また富士登山ツアーが見つかります。一緒に行きましょう(^^

事前トレーニングがどれくらい必要かは、その人の体力に大きく左右されるのですけど、とりあえずは、近くの山を2時間くらいは歩く、という経験を三四回はしていた方がいいと思います。

さて、山頂の空気の薄さについてです。
山頂のゴール100mになったとき、どれだけ苦しいのかと思ってダッシュしたみました。
特に、大変な事はなく、まあ、走ったらこうだよね的なカンジでした。
ですから、空気の薄さというのは気にならなかったというのが私の感想です。
しかし人によっては、敏感な人もいます。
ですから、携帯酸素は必需だと思います。今は、小さなヘアスプレーくらいのサイズで、容量がかなりあるタイプが千円位で売られています。五合目のバスターミナルで売られています。それは買っていてください。
実際、仲間三人は、よく携帯酸素を吸っていました。私は少し吸って、めんどくさかったので、すいませんでしたが、たいていは、酸素を吸うと、気分的にも落ち着きます。

富士山を目指してリタイヤする人も時々はいると思いますけど、3000m級というのは、そんなに途方も無いわけではありません。
最初に書いたように、ペース配分が最も重要です。
無理して頑張れば登れるという事ではないので、無茶のない速さで、休憩もしっかりとってという事でたのしんで下さいね。
注意しなくてはいけないのは、私は沖縄なのですけど、私のように飛行機で移動のある人達は、「機内にガスボンベは持ち込めない」という事を知っていてください…荷物にそれが入っていると(預けるものでも同じ)処分しなくてはいけなくなります。なので「現地購入」で行きましょう。

富士山の質問があったら気軽にどうぞ。