2010年6月9日

カウンセリングと薬の処方

今日は、ずいぶん昔からのカウンセリング仲間と、ほぼ十年くらいぶりに電話で話す事ができた。
幾つかある用件を話し終え、“ところで”と、気になっている事を尋ねてみた。
彼は沖縄の都会で小児科医をしていて、メンタル的な事も範疇にしている。

樹楽庵「ねぇ、Fさん、ところでさ、メンタルヘルス的な診療で、どんどん薬を使うようになってるでしょ・・・実のところどうなの? 沖縄でもそう?」
F氏「そりゃさ、樹楽庵さんといろいろ語り会っていた、あの頃と比べたらかなり増えたよね」
樹楽庵「そうでしょ、わたしのところに相談に来る人たちもけっこう薬を処方されててさ・・・」
F氏「うん、そうでしょ、すごいものね」
樹楽庵「Fさんも、そうなった?」
F氏「いや、わたしは薬の処方に全然否定的・・・あの頃と一緒」
樹楽庵「よかった(^^  
     Fさんみたいな人はまだけっこういるのかな?」
F氏「いやぁ、わたしとか樹楽庵さんみたいな考えをしている人は、ぜんぜん少数派だよね」
樹楽庵「身体症状でどうしても、っていうのは分かるけどさ、落ち込んだ人たちに誰彼なく、どんどん処方してるカンジだよね・・・一度、精神科で処方される薬の使用量のグラフを見たけど、すごい伸びでさ」

ちなみにわたしは医者ではないので薬などは処方しない・・・
もしも免許とって、薬を処方できる身になっても、めったには処方しないだろう。

ウツは、下の項目が5つ以上あれば、そう診断される・・・
※1と2のいずれかは必需。

1.その人自身の訴えか、家族などの他者の観察によってしめされる。ほぼ1日中の抑うつの気分
2.ほとんど1日中またほとんど毎日のすべて、またすべての活動への興味、喜びの著しい減退
3・食事療法をしていないのに、著しい体重減少、あるいは体重増加、または毎日の食欲の減退
または増加
4.ほとんど毎日の不眠または睡眠過多
5.ほとんど毎日の精神運動性の焦燥または制止
6.ほとんど毎日の易疲労性、または気力の減退
7.ほとんど毎日の無価値感、または過剰であるか不適切な罪責感
8・思考力や集中力の減退、または決断困難がほぼ毎日認められる
9・死についての反復思考、特別な計画はないが反復的な自殺念虜、
   自殺企図または自殺するためはっきりとした計画
                                 DSM-Ⅳより

で、SSRIというタイプの抑鬱剤を投与される事が多い。

 難しい言葉で書いてあるのだけど、よく読むと、失恋でひどく落ち込んだ場合にもあてはまるだろうな、というカンジがする。
 大切な身内を亡くして、メンタルクリニックに行くと、こういう質問をされて、5つ以上当てはまると、薬を処方されてしまう事があるわけだ。


ちなみに、もっとやさしい言葉で鬱病をチェックできるようなサイトもでている。
興味のある人はちょっと覗いてみてほしい。


自分が突然仕事を解雇されて、ひどくおちこんじゃった状況を想定して、そのサイトの質問項目に答えてみると、きっとあなたは「ウツです」って診断されちゃうんじゃないかと思う。
 友人の保証人になったおかげで、大切にしていたお金を失う事になった・・・
 朝起きる事ができないくらい落ち込んでしまう・・・
 何だから熱っぽい、でも内科に行っても特に病状は特定できない。
 メンタルクリニックを紹介される・・・
 そして、幾つかの質問が課される・・・
「では、しばらくこれを呑んでみますか」とSSRIが手渡される。
神経に作用する薬は、麻薬も含めて、かなり強力に効く。

 これは怖い。

 怖いと思っている人たちはいったい何人くらいいるんだろう?