2010年6月13日

エマ・トンプソン は、すごくステキだ! 映画 『Last Chance Harvey」

映画「Last Chance Harvey」・・・邦題「新しい人生のはじめ方」

邦題に、大ヒット作「最高の人生の見つけ方」にあやかって、二匹目のドジョウを狙ったな、という思いが見えてタイトル点マイナス。
でも大好きなエマ・トンプソンが出るので、とてもわくわくしながら観た。
結論として、すごくよかった。
原題の「Last Chance Harvey」は「ハービーのラストチャンス」という意味で、すごくわかりやすい。
でもたしかに、インパクトは薄いね。
邦題をいろいろいじれるんなら、「ハービー 最後の恋」が良いのに。
あるいは「ロンドンの恋 ケイト&ハービー」でもいいな。
誰か、事前に相談に来てくれないかな。

ストーリーは、わたしとしては何の意外性もなく、
そうなるに違いないよな、という流れでした。

そんなに走っているシーンを長撮りしたら、この後、きっと悪いことが起こるとしか思えないじゃない。
・・・ほら、やっぱりそうなった・・・
そんな流ればかりなんですけど、それでもよし(^^
エマ・トンプソンがとてもいいのですから。

といっても、ストーリーが破綻しているとか、そりゃないだろう、だとかという事ではありません。
ハリウッドのように、ドンパチものでびっくりさせていくわけではなく、確かにある人生にとってあり得る流れです。
なので、安心して観ることができます。

名優ダスティン・ホフマン 1937年生まれ・・・73才
超名優エマ・トンプソン 1959年生まれ・・・51才

ダスティン・ホフマンは、60ちょいと過ぎくらいにしか見えません。
年をとってもいい味を出しています。
自分の心の中にある思いを、大げさに表現するのではなく、ぐっと胸の中にためて、それが少しだけにじみ出ていく・・・その演技は、ハリウッド的な俳優さん達には出せない味です。
だってハリウッド映画って、傷みを大げさに表現したり、悲しみを訴えるために近くのテーブルひっくり返したりする演出にあふれているのだから。
ま、頭をあまり使わずに観る事ができるので、ハリウッドモノも時々は好きです(^^

さて、エマ・トンプソン
・・・私がベスト10にあげる「ウィンター・ゲスト」の主演女優。
スコットランドの小さな街を散歩する娘と母親のわずかな時間を描いた、大好きな作品です。
監督が、ダイハードの悪役、アラン・リュックマン。
彼も名優。
以前、どこかのサイトに書いたけど、名作だと思います。
映画好きにはとてもお勧めです。

今回の Last Chance Harvey では、ダスティン演じるHarveyが恋する相手。
かといって、美人でスマートとで、という相手ではないのです。
この役の為に太ったのか、ホントに太っちゃったのかは定かではないのですけど、結婚式に出席するための、あのドレスを着るにはつらいよな、というポッチャリ型。
普段の仕事にも疲れ気味。
母親は少し認知症の気が現れ始めて、絶えず娘に電話をかけてくる・・・
そう、冴えない役。

でも、ステキだ。
普通にお仕事しているカンジもいい。

書き忘れたのですけど、彼女はアカデミー賞を受賞しています。
ハワーズ・エンドで、主演女優賞。
彼女なら、いくつもアカデミー賞を受賞できると思うのだけど、あまり注目される作品にオファーがこないのでしょうね。

外見でなく、ごくふつステキな女性を見たかったら、ぜひ観に行きませんか。