2010年6月12日

映画「母なる証明」 ネタバレ注意/観ない方OK

前々から興味もあったので、キム・ヘジャ監督作品「母なる証明」を借りてきた。
友人が「観て感想を書くように」といっていたので、その答えの文章となる。

DVDのコントローラーが見あたらないので、ディスクを入れてそのまま観るしかなかったのだけど、DVDのコマーシャル作品の長いこと長いこと、40分くらい見せられた気がする・・・何とかならないかな、あれ。

さて、「母なる証明」は、殺人事件の容疑者にされた息子の無罪を証明しようと奮闘するストーリーだというのは分かっていたのだけど、わたしの大好きな「衝撃のラスト」とついているので、たのしみに観た。

わたしの予想は
「実は息子が母親の犯罪を覆い隠すために警察に捕まった・・・真の犯人は母親であった」という事なのかなということ。「母親は、自分の犯罪をかぶった息子の無罪を、誰か別な人を真犯人にして救ってしまうのだろう」とよんでいたのだけど、結果的にそれは違っていた。

 冒頭のシーン、草原で母親が不気味に踊っている・・・「この母親はけっこうあぶない人物だ」なと思い、初めからひいてしまった。
知的なハンディーを負う息子を溺愛し、どんな事があっても息子を助けようと必死になる母親という構図は、結果的に、「たとえ息子が真犯人であっても助け出す」という事で、とても筋が通っている・・・何の大逆転もない。

息子が犯人だと言うことを証言しようとした人物に手をかけ、さらには、偶然、新たなる犯人にされ、逮捕される人物の登場にホッとする・・・息子は釈放され、母親としてはめでたし。
しかし、この母親こそが異常なのだという隠された構図を、監督のキム・ヘジャは、描きたかったのだろう。

息子には知的なハンディーがあるが、この母親の息子への溺愛は、息子以上の異常さに満ちている。
観ていて、何とも後味が、いや中味も、そしてすでに書いたように、初めの味も悪かった。

考えてみると韓国の映画で、気持ち的にそう後味悪くなく観ることができたのは、「シュリ」くらいしか知らない・・・

あまりお勧めとは言い難い作品の一つ。