2011年1月3日

カール・ポパーを読む

部屋の片付けをさっき終えて、入手したカール・ポバーの
「果てしなき探求」岩波現代文庫
を読み始めている。
ポパーは、仮説実験授業の生みの親である板倉聖宣の認識論に極度に近い。
「対象に目的意識的に問いかける事によってのみ真理に至る」
という主体的唯物論の立場であり、しかも彼の語る言葉はとても解りやすい。
本人が、「大切な事を難しく語る事は犯罪ですらある」というくらいに、解かりやすさに徹している。
とはいっても、さすがに知らない哲学的固有名など出てきて、全部スラスラわかるというわけではないのですけど、文章の構造としてはすごくよくわかる。

眠い目と、ホコリでクシャミが続く中での読書なのだけど、頭にすらすら入ってくる。
こういう哲学者は、三浦つとむと板倉聖宣とポパーくらいなのではないかな?

彼ははじめのあたりでこう語っている。
「貧困を終わらせることより重要なものはありえない、と私は感じた」13P

マルクスに傾倒し、のちにその痛烈な批判者となり、民主主義とは何か、科学とは何かを追求していった彼の歩みをしばらくは味わってみようと思う。