2011年1月26日

映画「ソーシャルネットワーク」 原題The Social Network

忙しさの中でも相変わらず映画を観るゆとりがあって嬉しい。
体力も気持ちも充実しているのでしょう。
タバコ呑みの方々が「タバコを吸うと体調がわかる」っていうけど、そんな体に悪いことして体調を知るのではなくて、映画とかにいけばいいのにね。

さて、今年度のアカデミー賞に8部門もノミネートされたという「ソーシャルネットワーク」を観てきました。

 会員制の交流サイト「フェイス・ブック」を創設・運営し、巨万の富を手に入れている実在の人物「マーク・ザッカーバーグ」の半生を、デビッド・フィンチャー(ベンジャミン・バトン、セブン、ファイト・クラブなどの監督)が描いた作品です。
 
 アカデミー賞の前哨戦とか言われたりする「ゴールデン・グローブ賞」では最多四部門を制覇しています。


 いろんな映画情報サイトを覗いてみても、「注目度ナンバーワン」とか、いろいろ騒がれていたので、公開前から「これは行かなきゃ」と思っていた作品。


 観た感想を率直に書くと、私は失敗作だと思います。
 決定的だったのは、ラストの弁護士のセリフ・・・
「フィンチャー、あるいはプロデューサーの某、ザッカーバーグからお金もらっているに違いない」と思わせるセリフでした。


 映画の登場人物たちは、訴訟の和解交渉のテーブルから一歩も出ず、物語は進んでいきます。
 つまり、フェイスブックが誕生し、世界中に広がっていく過程を「回想」で見せていくのです。
 その「回想」の過程も、揉め事だらけで、現時点で進行中の「和解交渉」の現場も揉め事だらけですから、映画の構造上もごたごたしています。


 どうして、こんなに騒がれちゃったんだろう?
 何がそんなにおもしろいんだろう?


 わたしは思うに、他所の土地に乗り込んで自分たちの国を作っちゃったという、アメリカ人が大好きな「ヒーロー伝説」としてウケたのだろうな。
 かっこ良くもなく、人間づきあいも下手くそな人物が、恋人にフラれ、挫折していく中で、自分の才能を活かして巨万の富を築く、そんな即物的なサクセスストーリーが受けているのに違いない。


 今のところは、日本での評価もかなり高いけれど、私の予想としては、一時期グンと伸びて、しばらくするとドンと落ちちゃうのだと思う。


 こういう作品がアカデミーの主要部門の賞を取っちゃう可能性があるから、アカデミー賞は困ったものだなと思うのです。と同時に、おもしろいものだなと思うわけです(^^


 観に行く人たちは、ぜんぜん期待せずに行くといいと思います。


 それにしても、注目度ナンバーワンとかいう映画を、こんなに低評価に書いているのは、私といったいどういう人がいるのだろう?
 映画好きで、私と同じ評価をしている人がいたら、情報交換したいものです。